インフルエンザの注射はなぜ痛い

私はよく献血します。
成分献血なので、穴二つ分の注射針を、静脈に刺しっぱなしにして一時間以上横になっています。
刺すときは多少痛いのですが、後は気になりません。

しかし、インフルエンザの注射は、鈍い痛みがします。
どうやら、「皮下注射」ということで、薬が注入されていくときに痛みが広がっていき、痛みが長く続くようです。

さらにこの「皮下注射」では、皮膚のアレルギー反応により、腫れることもよくあるようです。

では、「皮下注射」のメリットは何か。
それは、体への吸収がゆっくりであるということ。おそらくは、インフルエンザワクチンが体に及ぼす副反応を少しでも和らげるための方法なのではないでしょうか。

なお、「目がテン」の実験によると、インフルエンザの注射を痛いと感じるのは、子どもの時に痛かったことが記憶からなくならないため、つまり思い込み(トラウマ?)により、痛みを増幅しているという結論でした。

子供数人で検証した結果として公表していました。

インフルエンザの流行時期

インフルエンザは一般的に冬にかかるものと思われています。
確かに、インフルエンザ予防接種は、秋口に行われることがほとんどですが、実際にインフルエンザの流行時期はいつなのでしょうか。

厚生労働省によると、日本におけるインフルエンザの流行時期は12月~3月となっています。
南半球では7月~8月、つまり寒い時期の流行が一般的です。

なぜこの時期に流行りやすいかというと、温度が低く乾燥している環境が、インフルエンザウイルスにとって生存しやすいからです。
また、空気が乾燥して寒い時期は、呼吸器官も痛みやすく、体力が低下しがちなことも原因に挙げられます。
さらに、年末年始の多くの人の移動は、インフルエンザが爆発的な増加につながる要因になっています。

しかし、新型インフルエンザの出現によって、過去には5月から感染が確認され、夏にかけて感染者が増えたこともあることから、流行の具合によっては、1年じゅうインフルエンザに気を付けなければいけないことになります。

インフルエンザ予防接種・治療に係る費用一覧

インフルエンザ予防接種・治療に係る費用一覧

【インフルエンザ予防接種】

インフルエンザの予防接種は、大人は1回ですが、子どもは2回となっています。

平均的な金額は3000円程度。診療所が病院よりも安い傾向があります。

子どもの場合は、1回目は2600円程度、2回目が2200円程度
合計では4800円程度となる。


タミフルやリレンザを予防的に投与できる場合があります。
家族等の共同生活者がインフルエンザに罹った場合です。

この場合の費用は、保険がきかないため次のとおりとなります。

タミフル 6570円(10日間分)
リレンザ 6810円(5日間分 


【インフルエンザ治療】

初診では 3000円~4000円が目安(3割負担の場合)
検査費だけで言うと、 1000~1500円程度

2回目では、診察料や診断書で約2500円程度


さて、予防接種を受けたほうがよいか、かかってからでよいか、コストパフォーマンスが気になるところですが、インフルエンザにかかると、職場であれ学校であれ家庭であれ、まわりに迷惑がかかるのは必至です。

自身のためにも、社会的にも、予防接種すべきだと思われます。

インフルエンザに効く薬 タミフル、リレンザ、イナビルの違い

インフルエンザの特効薬なんて以前はなかったのですが、医療の進歩は素晴らしいもので、タミフルをはじめとして特効薬が出てきました。

しかし、インフルエンザは変異を繰り返すため、常に新しい薬の開発が必要であり、イタチごっごと言える状況は、今後も続いていくと思われます。

ところで、インフルエンザに効く薬として、タミフル、リレンザ、イナビルがあげられますが、それぞれどのような違い・特徴があるのでしょうか。

【タミフル】
使用回数 1日2回
治療期間 5日間
服用方法 経口(消化器官から吸収後に作用)
解熱時間 A型 27.3時間  B型 39.1時間

【リレンザ】
使用回数 1日2回
治療期間 5日間
服用方法 吸入(直接作用)
解熱時間 A型 28.8時間  B型 40.2時間

【イナビル】
使用回数 単回投与
服用方法 吸入(直接作用)
解熱時間 A型 26.4時間  B型 36.6時間

タミフルは経口薬なので服用しやすいことから、最も多く処方されています。それだけに耐性のあるウイルスも出てきているとのこと。

リレンザ、イナビルの吸引も、もっと一般的な服用方法ならもっと流通するのでしょうが、世界的にもタミフルが多く出ています。

インフルエンザを予防する食事とは

インフルエンザ予防のための対策を考える場合、毎日の取り組みとして「食事」があげられます。

そして、インフルエンザにならないための食事とは、「抵抗力・免疫力を上げる食事」ということになります。

では、何の栄養素が抵抗力を上げることにつながるのか。

【ビタミンD】

ビタミンDは、最近の研究で、体の抵抗力・免疫力を向上させるための重要な要素であることが分かってきています。強力な抗がん作用を持つことをはじめ、血液中に一定の濃度以上あると、抵抗力・免疫力が上がるということである。

日光を浴びることでビタミンDが生成されるわけですが、食事としては魚に多く含まれています。

<ビタミンDが多い食品>
あんきも、しらす干し、イワシ、身欠きにしん、すじこ、いくら、かわはぎ、さけ、にしん、さんま、うなぎ、トロ、カズノコ  等



【ムチン】

ムチンは納豆や山芋などのぬるぬる成分です。これは、気管、消化管、目などの粘膜をカバーし、インフルエンザや風邪などの感染症をかかりにくくする効果があります。

<ムチンが多い食品>
納豆、オクラ、さといも、なめこ、長芋、モロヘイヤ、ツルムラサキ 等


【ビタミンA,C,E、たんぱく質など】

体をウイルスから守っているのは、鼻や目などの粘膜です。
粘膜を強化することが抵抗力・免疫力を上げることになるわけですが、ビタミンAは、粘膜分泌を高めます。
血液では、白血球が抵抗力・免疫力のカギを握りますが、この動きを強化するのがビタミンCです。またビタミンEには、血行を促進するはたらきがあり、これらのA,C,Eを取ることが、基礎的な抵抗力強化につながります。

また、たんぱく質は体の機能を正常に保つという、基礎的かつ重要な役割があります。
結局のところ、ビタミン、鉄分、たんぱく質等、栄養バランスのとれた食事が基本ということが言えます。


新型インフルエンザ予防接種の副作用

ここでいう「副作用」は、正しくは「副反応」といいます。
インフルエンザの副作用(副反応)は厚生労働省で報告書等が掲載されていますが、かなり多くの症状が報告されています。
まさに、インフルエンザワクチンは、体中、ありとあらゆる副作用(副反応)の可能性があります。

【血液およびリンパ系障害】
・血小板減少性紫斑病
・貧血
・リンパ節症
・自己免疫性血小板減少症
・赤芽球癆
・特発性血小板減少性紫斑病
・播種性血管内凝固
・汎血球減少症
・血小板減少症


【心臓障害】
・チアノーゼ
・急性心不全
・心停止
・心肺停止
・心嚢液貯留

【耳および迷路障害】
・感音性難聴

【眼障害】
ブドウ膜炎
・眼瞼浮腫
・結膜浮腫
・視力障害
・眼痛
・霧視
・眼そう痒症

【胃腸障害】
・悪心
・上腹部痛
・嘔吐
・腹膜炎
・口腔内出血
・口腔粘膜疹
・腸炎
・口唇浮腫
・ワクチン接種部位硬結
・ワクチン接種部位腫脹
・ワクチン接種部位疼痛
・悪寒
・異常感
・顔面浮腫
・胸痛
・胸部不快感
・局所腫脹
・倦怠感
・口渇
・死亡
・腫脹
・状態悪化
・全身症状
・多臓器不全
・注射部位そう痒感
・注射部位壊死
・注射部位紅斑
・注射部位腫脹
・注射部位知覚消失
・注射部位熱感
・熱感
・発熱
・浮腫
・歩行障害
・歩行不能
・末梢性浮腫
・無力症
・冷感
・疼痛
・腋窩痛

【肝胆道系障害】
・肝機能異常
・肝障害
・ライ症候群
・急性肝炎

【免疫系障害】
・アナフィラキシーショック
・アナフィラキシー反応
・アナフィラキシー様反応
・過敏症
・アナフィラキシー様ショック

【感染症および寄生虫症】
・髄膜炎
・肺炎
・蜂巣炎
・無菌性髄膜炎
・気管支肺炎
・気管支炎
・鼻咽頭炎
・胃腸炎
・心内膜炎
・脳幹脳炎
・水痘


【臨床検査】
・血圧低下
・血小板数減少
・白血球数減少
・白血球数増加
・肝機能検査異常
・C-反応性蛋白増加
・握力低下
・体温上昇

【代謝および栄養障害】
・食欲減退
・低血糖症
・ケトアシドーシス
・脱水
・1型糖尿病

【筋骨格系および結合組織障害】
・関節痛
・筋肉痛
・筋力低下
・四肢痛
・背部痛
・筋膜炎
・横紋筋融解症
・関節炎
・反応性関節炎
・リウマチ性多発筋痛
・脊椎炎

【神経系障害】
・脳血管攣縮
・両麻痺
・運動機能障害
・ギラン・バレー症候群
・起立障害
・てんかん
・てんかん重積状態
・意識レベルの低下
・意識消失
・意識変容状態
・感覚鈍麻
・急性散在性脳脊髄炎
・強直性痙攣
・筋緊張低下-反応性低下発作
・健忘
・四肢不全麻痺
・視床出血
・視神経炎
・失神
・失神寸前の状態
・小脳性運動失調
・神経炎
・神経系障害
・神経痛
・舌下神経不全麻痺
・第3脳神経麻痺
・第6脳神経麻痺
・第7脳神経麻痺
・単麻痺
・頭痛
・熱性痙攣
・脳炎
・脳梗塞
・脳症
・脳神経障害
・浮動性めまい
・複合性局所疼痛症候群
・麻痺
・末梢性ニューロパチー
・慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
・橈骨神経麻痺
・痙攣

【精神障害】
・錯覚
・幻覚

【腎および尿路障害】
・ネフローゼ症候群
・急性腎不全
・蛋白尿
・血尿
・腎機能障害
・尿閉
・排尿困難

【呼吸器、胸郭および縦隔障害】
・咳嗽
・間質性肺疾患
・急性呼吸窮迫症候群
・急性呼吸不全
・呼吸困難
・呼吸不全
・肺胞出血
・喘息
・喘鳴
・咽頭浮腫
・起坐呼吸
・誤嚥性肺炎
・肺水腫
・喘息発作重積
・線維素性気管支炎
・咽頭紅斑
・口腔咽頭痛
・口腔咽頭不快感
・鼻出血
・誤嚥

【皮膚および皮下組織障害】
・そう痒症
・ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
・紅斑
・紫斑
・全身紅斑
・全身性皮疹
・中毒性皮疹
・発疹
・蕁麻疹
・多汗症
・顔面感覚鈍麻
・多形紅斑
・点状出血
・薬疹
・急性汎発性発疹性膿疱症
・好酸球性蜂巣炎
・接触性皮膚炎
・スティーブンス・ジョンソン症候群

【内分泌障害】
・亜急性甲状腺炎

【妊娠、産褥および周産期の状態】
・子宮内胎児死亡
・胎児死亡

【血管障害】
・ショック
・低血圧
・神経原性ショック

【傷害、中毒および処置合併症】
・転倒

新型インフルエンザ予防接種は、平成21年10月から開始されており、次のような副作用(副反応)が現れた場合、医師は報告することとなっています。


【副反応報告基準】
   臨床症状 : 接種後症状発生までの時間
○ アナフィラキシー : 24時間
○ 急性散在性脳脊髄炎(ADEM) : 21日
○ その他の脳炎・脳症 : 7日
○ けいれん : 7日
○ ギランバレー症候群 : 21日
○ その他の神経障害 : 7日
○ 39.0℃度以上の発熱 : 7日
○ 血小板減少性紫斑病 : 28日
○ 肝機能異常 : 28日
○ 肘を超える局所の異常腫脹 : 7日
○ じんましん : 3日
○ じんましん以外の全身の発疹 : 3日
○ 血管迷走神経反射 : 30分
○ その他の通常の接種では見られない異常反応 : *
○ 上記症状に伴う後遺症 : *

新型インフルエンザ対策

厚生労働省では、新型インフルエンザ対策のガイドラインを公表しています。

その中で、個人、家庭及び地域での対策について説明します。

【個人や家庭の対応】

新型インフルエンザ発生前
・ 情報収集
・ 通常のインフルエンザ対策、咳エチケットの励行
・ 学校休業、不要不急の業務縮小が行われる場合への準備
・ 2週間分程度の食料品、生活必需品等の備蓄
 (地震では3日分の備蓄と言われていますが、それをはるかに上回っています)

新型インフルエンザが発生した場合
・ 情報収集
・ マスク着用や外出自粛等による感染拡大防止
・ 本人や家族が発生した場合の適切な受信や、自宅療養等
・ 医療の確保への協力(急がない場合は医者に行かない)

【地域での対応】
・ 集会、イベントの延期、学校の臨時休業等

このようにみると、通常のインフルエンザ対策と共通しているところが多いと感じます。
2週間分の備蓄は理想なのかもしれませんが、具体的に一般国民ができるのかは疑問です。